糖尿病に関する各種検査について
- HbA1c
(ヘモグロビンエーワンシー) - 赤血球中のヘモグロビンにブドウ糖が統合したもので、高血糖が持続するとその割合が増加します。過去1~2カ月の平均血糖値を反映します。 糖尿病のコントロール指標として用いられます。
- 経口ブドウ糖負荷試験
(OGTT) - 糖尿病診断に用いられる検査法。インスリン抵抗性や、インスリン分泌能の評価ができるので、将来の糖尿病になりやすさも判定することができます。
- Cペプチド
- インスリンとともに分泌される物質です。主としてインスリン分泌量の評価のために測定し、糖尿病の病型分類や糖尿病治療薬の選択などに用いられます。
- 眼底検査
- 糖尿病網膜症の早期発見、早期治療のためには、病期に応じた眼科医による定期的な眼底検査が必要です。
人間ドックで行われる眼底写真では、初期に出現する周辺の病変が見落とされやすく、眼底写真のみでは糖尿病網膜症を診断できないと報告されています。 - 尿中アルブミン
- 糖尿病の早期腎症の診断に用いられます。早期腎症の段階では、治療により正常に戻る可能性があります。
- 心電図R-R間隔変動係数
- 自律神経障害を調べる検査です。糖尿病神経障害が進行すると、起立性低血圧や下痢と便秘を繰り返す、排尿障害、発汗減少あるいは増多など多彩な症状がおこります。
- 神経伝導検査
- 運動、感覚神経に経皮的に電気刺激を与え、伝導速度や振幅などを測定する検査。末梢神経障害の有無の鑑別や病態診断を行うことができます。
- 脈波伝播速度(PWV)
- 動脈の硬さを調べる検査です。
- 下腿―上腕血圧比
(ankle brachial index: ABI) - 足背または後脛骨動脈の上腕動脈に対する血圧の比。ABIが低下していると末梢動脈疾患(大腿動脈、膝窩動脈、後脛骨動脈などが動脈硬化により細くなっている疾患)が疑われます。
- 頸動脈超音波検査
- 頚動脈の内膜中膜複合体(血管壁の厚さ)やプラーク(壁の一部が厚くなった部分)を調べる検査です。頸動脈での動脈硬化の評価は全身の動脈硬化の指標になります。
- SASスクリーニング検査
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)簡易検査です。SASにより睡眠の質が低下すると交感神経が活性化したりストレスホルモンが過剰に分泌されたりしてインスリンが効きにくい状態になり、糖尿病が悪化しやすくなるといわれています。
- MOCA-J
(Japanese version of Montreal Cognitive Assessment) - 軽度認知障害のスクリーニング検査です。
- MMSE
- 認知症のスクリーニングする検査です。
血糖自己管理に用いる検査と治療法について
- 持続血糖モニター
(continuous glucose monitoring: CGM) - 皮下の間質液中のブドウ糖濃度を連続して測定するシステム。間質液中のグルコース濃度を自動的に測定します。
持続血糖モニターには、血糖自己測定の目的で行うiCGM(通称FGM)とリアルタイムCGM、血糖パターンの評価のために行う検査であるプロフェッショナルCGMがあります。 - リアルタイムCGM
(real-time CGM) - 間質液中のグルコース濃度を継続的に自動測定し、グルコース値の変化を線状のグラフとして常時機器上に表示します。また、測定結果から低グルコース閾値や高グルコース閾値にいたることを予測してアラートを発する機能があり、低血糖の予防対策をとることができます。
- 間歇スキャン式CGM
(intermittently viewed CGM: iCGM、通称Flash Glucose Monitoring : FGM) - 間質液中のグルコース濃度を継続的に自動測定するシステム。自分で機器をセンサーにかざすことにより、グルコース値が表示されます。
https://www.myfreestyle.jp/patient/ - プロフェッショナルCGM
(professional CGM) - iCGMを用いた検査です。2週間分のデータを後から解析するCGMで、最大14日分のデータを血糖日内変動のシステムで解析します。
- インスリンポンプ
- 携帯型注入ポンプを用いて超速効型あるいは速効型インスリンを持続的に皮下投与する治療法です。ポンプの適応がある患者様に医療チームがかかわることで効果が期待できます。
- パーソナルCGM機能付きインスリンポンプ
(Sensor Augmented Pump: SAP) - リアルタイムCGM機能付きのインスリンポンプ治療です。インスリンポンプに習熟した患者様に考慮される治療法です。
https://www.medtronic-dm.jp/ - カーボカウント
- 食事に含まれている糖質の量を知り、糖尿病の食事療法に役立てる方法。血糖コントロールに重点を置いた食事療法です。基礎カーボカウントと応用カーボカウントの2種類があります。
基礎カーボカウントは、一日に必要な糖質量を均等に配分し、規則的な食事間隔で摂る方法で、すべての糖尿病患者様が対象となります。
応用カーボカウントは強化インスリン療法中の患者様が適応となり、糖質量に応じてインスリン量を調整する方法です。