糖尿病学習入院について

糖尿病学習入院とは

入院して、食事療法や運動療法などを実践しながら学んでいただくシステムです。患者様が自主的に治療に取り組んでいただけるようになることが目的です。
治療がうまく進んでいない理由や問題点を洗い出し、患者様それぞれの目標を決めてから、学習入院を始めます。入院期間中に、退院後実行可能な目標についても担当医師や看護師、管理栄養士と一緒に考えていきます。
入院期間は、患者様の病状にあわせて2泊3日から14日間までとなります。
また、治療を体験していただく目的の週末入院(金曜日入院~日曜日または月曜日退院)を行っています。

(注)当院では、糖尿病ならびに療養に資する生活習慣を患者さんが主体的・自発的に学ぶ機会としてご認識いただけるよう、糖尿病教育入院を「糖尿病学習入院」と呼称しております。

学習入院のメリット

1.血糖値のコントロールができます

著しい高血糖が認められるときには速やかに血糖値を改善させ、同時に検査を行う必要があります。
入院することにより、きめ細やかなインスリン治療を行うことができるため血糖値が早く改善し、インスリン治療を中止し経口薬に変更することが可能な場合があります。

2.治療方針決定に必要な検査がまとめてできます

1日の血糖変動パターンや、インスリン分泌能、体組成などを調べることにより、糖尿病の病態を正確に評価し、病態に基づいた治療ができます。糖尿病が急に悪化した場合には、その原因の一つである膵臓癌らのスクリーニングのために腹部超音波検査や腹部CTを速やかに行うことができます。
長年、糖尿病を放置し急激に血糖コントロールを行うと網膜症が悪化し、視力低下する場合があります。治療後の網膜症悪化予防を図るため、入院では眼底検査、血糖のモニタリングを行い、治療方針を立てます。

3.糖尿病の自己管理スキルが向上します

糖尿病教室や個別の療養指導、栄養指導により、糖尿病に対する理解が一度に深まり、その後の治療が行いやすくなります。

4.運動療法プログラムを体験できます

体調にあわせて無理のない動作を中心に、楽しみながら運動療法を学べます。

入院中のスケジュール

6:00
起床
6:30
血糖測定
8:00
朝食(管理栄養士からの説明)
9:00
体温・血圧・脈拍測定
10:30-11:30
糖尿病教室(医師)
11:30
血糖測定
12:00
昼食(管理栄養士からの説明)
13:00
ストレッチ体操
13:30
糖尿病教室(メディカルスタッフ)
16:30
血糖測定
18:00
夕食(管理栄養士からの説明)
21:00
血糖測定
22:00
就寝

・空いている時間には検査、栄養指導、服薬指導などがあります。

・血糖日内変動検査は入院翌日に行います
(6:00~6:30、10:00、11:30、
14:00、17:30、20:00、22:00)

・運動は食後に行います。

(1)糖尿病教室

午前と午後、それぞれ1時間ずつの教室です。糖尿病についての知識を、医師をはじめ看護師や管理栄養士、検査技師、薬剤師のメディカルスタッフから学べます。
午前は、「糖尿病とはどのような病気か」「治療法について」「糖尿病の合併症とその予防法」といったような、糖尿病に関する基礎的な知識が得られる講義です。
午後は、「減量のための食事のとり方」「運動の仕方」「外食のとり方」など、より具体的な治療の進め方やコツなどが詳しく学べる講義です。また、運動指導専門インストラクター(健康運動指導士等)による運動プログラム教室も行っています(週1回、2022年7月~、詳しくは お知らせニュース 2022年6月15日付「糖尿病学習入院における運動療法プログラムのリニューアルについて」 ご参照 )。

【講義テーマ例】
医師からのお話
時間:10:30~11:30
看護師・栄養士・検査技師・薬剤師からのお話
時間:13:30~14:30
糖尿病とは 合併症がでてきたら
~塩分・脂質・たんぱく質について~[栄養士]
糖尿病の治療(薬)と未来 糖尿病の検査
~検査ってなんでするの?~[検査技師]
糖尿病の治療(食事・運動) インスリンの知識と自己注射について[看護師]
腎臓病の話 さあ運動の時間です
~リズムに合わせて楽しく運動~[外部講師]
合併症とその予防 外食について
~外食・アルコール・間食など~[栄養士]
糖尿病とは 体重が気になる方へ
~カロリーダウンのコツ~[栄養士]
糖尿病の治療(薬)と未来 フットケア[看護師]
糖尿病の治療(食事・運動) くすりの話[薬剤師]
心臓病の話 さあ運動の時間です
~リズムに合わせて楽しく運動~[外部講師]
合併症とその予防 わかば教室~糖尿病の食事とは~[栄養士]

(2)食事療法

食事療法は、糖尿病治療の基本です。
朝昼夕の三度の食事では、それぞれの患者様ごとに適正な食事をお出しします。あわせて、管理栄養士が献立のエネルギー量や栄養のバランス、糖尿病食の工夫などについて詳しくご説明します。食事療法の体験を通じて、「退院後に試してみよう」という気持ちになることが治療の目標です。

(3)運動療法

運動療法は、食後に行います。
患者様の病状によってメニューが異なりますので、ストレッチ体操だけを行う方もいれば、ウオーキングをする方もいます。院内ではエルゴメータ、院外ではウオーキングコースを設定しています。
また、運動指導専門インストラクター(健康運動指導士等)による運動プログラム教室も行っています(週1回、2022年7月~、詳しくは お知らせニュース2022年6月15日付「糖尿病学習入院における運動療法プログラムのリニューアルについて」 ご参照)。

(4)薬物療法の調整

血糖測定の結果や、血中・尿中Cペプチドによるインスリン分泌能の評価、年齢、体格、糖尿病の罹病期間、退院後の生活スタイルなどを考慮して、薬物療法を調整します。
当院ではインスリンポンプとリアルタイムCGMは入院のうえで導入します。十分なサポート体制下で実践しながら、使用方法を学んでいただきます。

(5)個別指導

個別に、栄養指導、注射指導やフットケアなどの療養指導、服薬指導を行います。

服薬指導

治療に用いるお薬の薬効、副作用、注意事項などを患者様にご説明します。また、患者様の症状や処方内容、臨床検査値等を確認して薬物治療の効果や副作用をモニタリングしています。
一方、市販薬、健康食品などについても確認し、当院での治療のために減量あるいは中止したほうがよいものがあれば医師に相談します。

(6)検査

血糖検査
血糖検査を1日4回、血糖パターンを調べる日には1日7回、血糖測定をします。
患者様の病状によっては、プロフェッショナルCGMを行って、入院中と退院後の生活の血糖の違いを調べます。
インスリン分泌能の評価
食前と食後2時間の血中C-ペプチド(CPR)測定と、24時間蓄尿による尿中CPRを測定して、インスリン分泌能の評価をします。
合併症と併発症の検査
24時間蓄尿して、尿中アルブミンまたは尿蛋白排泄量、24時間クレアチニンクリアランスを調べ、糖尿病性腎症の病期を評価します。
眼科医による眼底検査や動脈硬化の検査を始め、必要に応じて、脂肪肝や慢性膵炎、膵臓癌のスクリーニングとしての腹部エコーや腹部CT、消化管内視鏡検査、甲状腺検査を行います。

(7)回診

毎日、主治医と看護師が回診します。また、週1回、院長回診があります。

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