血糖検査
迅速血糖検査
糖尿病外来を受診される患者様には診察前、血糖値とヘモグロビンA1cを測定するための採血をいたします。当院では、耳たぶから採血することでごく少量の血液で調べることができます。患者様は診察時に結果を聞くことができるので、その日の血糖コントロール状態を知ることができます。血糖値に影響しますので、食事の有無と食べ始めた時間をお聞きします。
血糖値(BG) | 糖尿病の診断や血糖のコントロール状態について調べます。 |
ヘモグロビンA1c |
ブドウ糖負荷試験
ブドウ糖の入った液体を飲んでいただくことにより血糖やホルモンの変化を調べて糖尿病を診断する検査です。
空腹の状態で採血・採尿した後、ブドウ糖液を飲みます。その30分後、60分後、90分後、120分後と、時間をおいて採血・採尿します。
ご注意いただきたいこと
検査当日はお食事をとらずにご来院ください。
検査終了まで飲食と喫煙はできません。
生化学検査
採血をした検体で、肝機能や腎機能、炎症の有無などからだの状態を調べることができます。
総蛋白(TP) | 肝疾患、腎疾患、慢性炎症がある時や低栄養状態の時に変化します。 |
アルブミン(Alb) | |
A/G比 | |
総ビリルビン(T-Bil) | 肝臓の機能を調べます。肝炎、肝硬変、肝がん、アルコール性肝障害、胆のう炎などで値が変わります。 |
ALP | |
γ-GTP | |
AST(GOT) | |
ALT(GPT) | |
LDH | |
アミラーゼ(AMY) | 膵臓の異常の有無を調べる検査です。 |
CPK | 激しい運動や心筋梗塞で高くなります。 |
尿素窒素(BUN) | 腎機能を判定し、腎臓病の有無などを調べます。 |
クレアチニン(Cr) | |
eGFR | |
尿酸(UA) | 高値は痛風、尿路結石の原因になります。 |
ナトリウム(Na) | 脱水やホルモン異常で変動します。 |
カリウム(K) | |
クロール(Cl) | |
カルシウム(Ca) | |
リン(IP) | |
中性脂肪(TG) | 各種コレステロール、中性脂肪などの量を調べます。 多すぎる中性脂肪、LDL-コレステロールなどは、動脈硬化の危険因子です。 |
総コレステロール(TC) | |
HDL-コレステロール | |
LDL-コレステロール | |
C反応性蛋白(CRP) | 身体に炎症があると高くなります。 |
血液検査
血液中の細胞を調べる検査です。白血球、赤血球、血小板、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値を調べることにより貧血の状態や炎症などを知ることができます。
白血球数(WBC) | 白血球、赤血球、ヘモグロビンなどを算定し、貧血や血液の病気、感染症などの有無を調べます。 |
赤血球数(RBC) | |
ヘモグロビン値(Hb) | |
ヘマトクリット値(Ht) | |
MCV | |
MCH | |
MCHC | |
血小板数 | |
血沈 |
尿検査
糖尿病外来を受診される方は診察前に尿検査をします。
タンパク・糖・ケトン体・潜血・白血球等を調べる尿定性検査と、顕微鏡で尿中の細胞を見る尿沈渣検査があります。尿糖やケトン体を調べることは糖尿病の状態を把握するのに有用であり、痛みを伴わずに採取できる検査です。
尿色調 | 腎機能や肝機能、糖尿病の状態、尿路感染などで値が変わります。 |
尿pH | |
尿比重 | |
尿蛋白 | |
尿糖 | |
尿ケトン体 | |
尿ビリルビン | |
尿ウロビリノーゲン | |
尿潜血 | |
尿白血球 | |
尿亜硝酸塩 |
心機能検査
標準心電図検査
心臓が活動するとわずかな電気が流れ、この電気を波形として記録したものが心電図です。不整脈や心筋梗塞など、心臓に関する情報を得ることができる検査です。
ベッドに仰向けに寝ていただき、両手首・両足首・胸部に電極をつけて検査を行います。
検査時間は5分程度で痛みなどの刺激はほとんどありません。不整脈の出現など、状態によって長く記録する場合もあります。
ご注意いただきたいこと
上半身の衣服を脱いでいただきますので、着脱のしやすい服装でご来院ください。
糖尿病の方は靴下もお脱ぎいただき、足の観察を行います。
運動負荷心電図検査
運動の前後で、心電図と血圧を記録します。安静時だけではとらえにくい、心臓に負荷がかかった状態の心電図や血圧の変化を見る検査です。狭心症などの虚血性心疾患の有無や運動による不整脈の出現を評価します。
運動内容はステップ台昇降になり、実施回数は、年齢・体重・性別により決まります。
検査時間は15分~20分程度です。不整脈の出現など、状態によって長く記録する場合もあります。
ご注意いただきたいこと
上半身の衣服と靴下を脱いでいただきますので、着脱のしやすい服装でご来院ください。
血圧測定に不都合のある方はお申し出ください。
ホルター心電図検査
小型で軽量な記録器を身につけ、24時間持続的に日常生活の心電図を記録します。1日における心電図の変化や発作的に出現する不整脈や狭心症などの有無、自覚症状との関連などを調べる検査です。
胸部に5か所電極を付け、記録器を腰などに装着し、普段通りの生活をしていただきます。行動記録カードをお渡ししますので、1日の行動を記載してください。翌日に再び来院していただき、電極と記録器を外します。
装着時間は20分程度、取り外し時間は5分程度です。
ご注意いただきたいこと
記録器装着中は、シャワー・入浴ができません。
電極が見える可能性がありますので、襟元の広い服装は避けてください。
電気毛布等は、装置に影響を及ぼす可能性がありますので、使用できません。
超音波検査
腹部超音波検査
肝臓、胆嚢、腎臓、膵臓、脾臓などの臓器に異常がないかを調べる検査です。臓器の大きさや形、脂肪肝、胆石、腎結石、腫瘍などがないかをみています。
衣服を胸のあたりまでまくり、呼吸を調整したり体位をかえるなどして検査を行います。
検査時間は20~30分です。
ご注意いただきたいこと
朝食はとらずにご来院ください。飲水は水・白湯に限り、おとりいただけます。
血圧・心臓の薬はいつも通り服用してください。
インスリンや血糖降下剤など糖尿病の薬は使用せずご持参ください。
検査前は出来るだけ排尿しないでください。
心臓超音波検査
心臓の大きさや動き、弁の状態、血液の流れなどを調べる検査です。虚血性心疾患、心臓弁膜症、心筋症、先天性心疾患など様々な心臓病を評価します。
左横向きに寝た状態で呼吸の調整をしながら、検査を行います。
検査時間は20~40分です。
ご注意いただきたいこと
上半身の衣服を脱いでいただきますので、着脱のしやすい服装でご来院ください。
お食事の制限はありません。
頸動脈超音波検査
頸動脈の動脈硬化の程度や狭窄の有無を調べる検査です。頸動脈の動脈硬化を評価することで全身の動脈硬化の指標となります。
検査時間は20~40分です。
ご注意いただきたいこと
襟元があけやすい服装でご来院ください。
ネックレスなどアクセサリーは外していただきます。
お食事の制限はありません。
甲状腺超音波検査
甲状腺の状態を調べる検査です。甲状腺の大きさ、腫瘍病変の大きさや性状、慢性疾患の経過などを評価します。超音波ガイド下で腫瘍病変に針を刺し、細胞を調べる検査も行っています。
検査時間は20~30分です。
ご注意いただきたいこと
襟元が明けやすい服装でご来院ください。
お食事の制限はありません。
血管機能検査
脈波・足関節上腕血圧比(ABI)・足趾上腕血圧比(TBI)
脈波・足関節上腕血圧比(ABI)は、両腕と両足首にカフを巻き、血圧と心臓の拍動が血管の壁を伝わる速度(脈波伝播速度)を測定することで、血管の詰まりや硬さ(動脈硬化)を調べる検査です。
足趾上腕血圧比(TBI)は、両腕と両足趾にカフを巻き、より末梢の動脈硬化を調べる検査です。血圧と脈拍数を安定させるため、カフなどを巻いた後に安静時間をとります。
検査時間は10分~15分程度です。
ご注意いただきたいこと
血液透析のシャントがある場合など血圧測定に不都合のある方はお申し出ください。
神経機能検査
末梢神経伝導検査
四肢の末梢神経の皮膚の上から弱い電気刺激をし、誘発される電気的活動電位を測定する検査です。神経障害の有無やその程度を評価します。
検査時間は30~60分です。
ご注意いただきたいこと
検査に使用する電気刺激により多少の痛みを伴う場合があります。
肘上、膝上までまくることができる服装でご来院ください。
CVR-R検査
安静時の心拍数変動の程度により自律神経機能を調べる検査です。
両手首に心電図のクリップを装着した後に10分間の安静時間をとり、脈拍を100拍測定し、心拍の変動係数を算出します。
検査時間は安静時間を含め15分程度です。
ご注意いただきたいこと
不整脈がある場合、検査を実施できないことがあります。
睡眠時無呼吸検査
睡眠時無呼吸症候群簡易検査
睡眠中のいびきや呼吸の状態・血中の酸素濃度の状況を調べ、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を簡易的に判断する検査です。
入眠前に指先と鼻にセンサーを取り付け、小型の機器を手首に装着します。そのまま就寝していただき、翌朝の起床時に取り外します。
ご注意いただきたいこと
検査実施時に日中の眠気に関するアンケートがあります。
指にマニキュアをされている方は落としていただきます。
一般撮影検査
一般撮影検査とは、レントゲンの名称で行われている胸部や腹部、骨格系の撮影です。X線を人体に照射して、X線の透過量の違いを白と黒で現しています。肺のような透過しやすい所は黒く、骨のような透過しにくい所は白く写ります。
胸部は主に肺の様子や心臓の大きさを、腹部はおなかのガスの状態や結石の有無などが撮影の目的になります。骨格系は整形外科領域の骨や関節の撮影が中心となります。
目的部位によって様々ですが、体位を変えながら複数枚の撮影をする場合があります。また息止めは、吸って撮影する場合と吐いて撮影する場合があります。画像確認まで数分で行なうことができます。
ご注意いただきたいこと
妊娠している(可能性がある)方は撮影できません。
金属、ボタン、ホックなどがついている衣服では撮影できません(検査衣に着替えていただきます)。
ネックレス、磁気(エレキバン)、湿布などは、外してください。
消化管撮影検査
バリウムによる上部消化管(胃、食道検査)の検査を行っています。ポリープをはじめ、がん、潰瘍、胃炎などを調べます。空腹状態でバリウムと空気(発泡剤)を飲んでいただき、風船のようにふくらませた胃の全体にバリウムをきれいに付着させて多方向から撮影をします。検査時間は15分前後です。
ご注意いただきたいこと
発砲剤は飲んだ直後から”ゲップ“を我慢する必要があります。
狭い撮影台の上で何度も体を回転していただくので、ある程度の体力が必要です。
妊娠している(可能性がある)方は撮影できません。
金属、ボタン、ホックなどがついている衣服では撮影できません(検査衣に着替えていただきます)。
ネックレス、磁気(エレキバン)、湿布などは、外してください。
CT撮影検査
CTとはコンピューター断層撮影(Computed Tomography)の略です。主に、頭部、胸部、腹部(肝臓、膵臓、腎臓などの臓器)等を詳しく調べることができます。X線の照射によって得られたデータをコンピューターで計算し画像を完成させます。撮影された画像は輪切りの画像ですが、見やすく再構成した画像で観察ができます。
患者様には装置のベッドに仰向けで寝ていただき、両腕を頭上に上げた状態で検査をします。ドーム状のリングの中へベッドが移動し、造影剤を使用しない単純撮影の場合は2回撮影が行われ検査は終了します。
造影CTの場合は、この後に造影剤を注射して、更に撮影が数回行なわれます。造影剤は尿として排泄されます。
検査時間は、単純CTは3~10分、造影CTは20分~40分です。
ご注意いただきたいこと
妊娠している(可能性がある)方は撮影できません。
金属、ボタン、ホックなどがついている衣服では撮影できません(検査衣に着替えていただきます)。
ネックレス、磁気(エレキバン)、湿布などは、外してください。
検査日程
以下の検査はすべて、外来にて医師と相談のうえでご予約していただきます。お電話のみによるご予約、ご来院当日の検査は受け付けておりませんのでご了承ください。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
上部内視鏡検査 | ● | ● | ● | ● | ● |
下部内視鏡検査 | ● | ● | ● | ● | |
腹部超音波検査 | ● | ● *1 |
● | ● *2 |
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心臓超音波検査 | ● | ● *3 |
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頸動脈超音波検査 | ● | ● | ● | ● | |
甲状腺超音波検査 | ● | ||||
末梢神経伝導検査 | ● | ● | ● | ||
ホルター心電図検査 | ● | ● | ● | ● | ● |
・水曜日の下部内視鏡検査(赤色の●印)は女性医師が担当しています。
*1~*3は下記の医師が実施。●は技師が実施。
*1 森秀明先生(杏林大学医学教育学特任教授)
*2 榎奥健一郎先生(東京大学消化器内科助教)
*3 片山尚子先生(二本松クリニック院長)
標準心電図検査、運動心電図検査、脈波・足関節上腕血圧比(ABI)・足趾上腕血圧比(TBI)、CVR-R検査、睡眠時無呼吸検査は随時行っています。