vol.014 2017年 11・12月
各地で糖尿病週間行事 行われる |
(公財)朝日生命成人病研究所附属医院 所長・院長 岩本 安彦 |
第53回糖尿病週間講演会
今年も全国各地で、糖尿病週間に関連してさまざまな取り組みがなされました。皆さんご存じのことと思いますが、11月14日はインスリンの発見者Banting教授 (トロント大学) の誕生日で、「世界糖尿病デー」に制定されています。わが国でも糖尿病週間には糖尿病の予防・啓発をめざして、全国各地で多くの行事が開かれました。
糖尿病週間講演会『高齢化する社会のなかで糖尿病に立ち向かう』
内容・演者 ※敬称略 1. 開会の挨拶・表彰式 渥美 義仁 東京都糖尿病協会 会長 2. 基調講演Ⅰ 「認知症やフレイル (虚弱) を防ぐための糖尿病の療養方法」 荒木 厚 東京都健康長寿医療センター 内科統括部長 3. 基調講演Ⅱ 「そこが知りたい!糖尿病とがんの危険な関係を断ち切るコツ」 大橋 健 国立がん研究センター中央病院 糖尿病腫瘍科 科長 4. パネルディスカッション (1)「老化を進める悪玉物質“オステオポンチン”とは?」 佐野 元昭 慶應義塾大学 循環器内科 准教授 (2)「血糖値の変動とその管理?1日血糖の見える化?」 森 豊 東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科 教授 (3)「サルコペニア予防のための食事療法 これで筋肉をまもる!」 朝倉 比都美 帝京大学医学部附属病院 栄養部 科長 (4) 総合討論〔各演者およびパネリスト〕 5. 閉会の挨拶 実行委員長 江藤 一弘 サンライズクリニック 院長 日本糖尿病財団の事業
公益財団法人日本糖尿病財団は、糖尿病に関する調査研究等に対する助成事業、糖尿病に関する予防キャンペーンによる正しい知識の普及・啓発活動、および国際交流活動に対する助成等を行っています。平成3年に設立され、平成25年4月には公益財団法人として認可され、現在は私が理事長を務めています。 平成29年度糖尿病予防キャンペーンのご報告とご案内平成29年10月15日 (日) に岡本元純世話人 (滋賀県糖尿病協会会長) のもと、滋賀県立陶芸の森・信楽産業展示館において『糖尿病をもっと知ろうよ、みんなで描く一つの輪』をテーマに、「糖尿病予防キャンペーン西日本地区 in 滋賀」が開かれました。あいにくの雨模様にもかかわらず、約400名の参加者を得て盛会裡に終了しました。東日本地区の糖尿病予防キャンペーンは平成30年3月17日 (土) に富山県総合福祉会館「サンシップとやま」において、戸辺一之世話人 (富山大学医学部第一内科教授) のもと開催されます。 なお、平成30年度の糖尿病週間行事 (東京) は朝日生命成人病研究所附属医院の吉田洋子診療部長が実行委員長を務めさせていただくことになりました。有意義な糖尿病週間講演会にすべく、成人病研究所の総力を挙げて準備を進めてまいりますので、よろしくご支援の程お願いいたします。 |
人間ドックの在り方
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部長・糖尿病代謝科 菊池 貴子 |
第58回人間ドック学会年次学術大会報告
「第58回人間ドック学会年次学術大会」が本年8月、大宮で開催されました。 人間ドックの活用法
既に人間ドックを利用されている方に是非意識して頂きたいのは、次のステップです。折角早期の段階で異常を発見できたのに症状がないからと言って放置していないでしょうか?今回の学会でも二次検査の受診率の低さが問題となっていました。時間がない、面倒であることもわかります。しかし、実は二次検査こそ大切なのです。病気を予防するためには、健診の結果を良く理解し、自覚を持って生活して頂く事が、健康維持と健康寿命の延長に大きなメリットとなります。
最後に、今回の学会で私が講演してまいりました研究内容を簡単にご紹介いたします。 |
当院での糖尿病患者指導の現場における
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看護科・看護師長 松田 由維 |
糖尿病療養の初期教育の重要性
糖尿病は病状のコントロール状態によっては健康な人と変わらない生活を営み、人生をまっとうすることが可能です。しかし、自覚症状が乏しいため糖尿病に気づきにくく「自分は大丈夫」などと考えがちです。 受付から検査、診察、指導、会計を効率よくセット化
当院では2011年10月の移転から今日まで月平均約4000人の糖尿病患者の診療を行っています。糖尿病専門医12人とともに、日本糖尿病療養指導士22人・糖尿病認定看護師1人を含む、看護師、臨床検査技師、管理栄養士、薬剤師、医療事務で糖尿病患者を支援しています。
指導用ツールを活用した患者情報共有と総合的支援
患者の全体像を医師の診察だけで理解することは困難です。そのため当院では患者情報の収集・共有にはフォーマット化した「療養指導・栄養指導経過表」を活用しています (図2、
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) 。 コーディネーターの采配で急な指導にもスムーズに対応
診療当日に必要となる外来療養指導の采配はコーディネーターが担当し、スムーズな指導を可能にしています。コーディネーターは糖尿病療養指導に関わる看護師を中心としたスタッフが毎日交代制で担当し、専用のPHSを携帯します。 |