vol.003 2016年 1・2月
新しい年を迎えて |
(公財)朝日生命成人病研究所附属医院 所長・院長 岩本 安彦 |
体重減少(減量)を新年の目標に 新年おめでとうございます。朝日生命成人病研究所・附属医院の職員を代表して、新年のご挨拶を申しあげます。当院には糖尿病、肥満症、脂質異常症、高血圧、狭心症、心不全、肝臓病、胃腸疾患、慢性腎臓病など成人病(生活習慣病)に罹患している多くの患者さんが通院しています。 糖尿病療養指導鈴木万平賞 受賞の光栄に浴して このたび公益財団法人鈴木万平糖尿病財団より、「平成28年度(第9回)糖尿病療養指導鈴木万平賞」が朝日生命成人病研究所(附属医院)に授与されることが決定し、同財団のホームページで公表されました。 第50回日本成人病(生活習慣病)学会に参集を 1970年に第1回日本成人病学会が開催されて本年で第50回を迎えます。第50回の会長は、東京医科大学の小田原雅人教授が務められ、「生活習慣病,一歩先の未来へ Your action, our future」をテーマに1月16日(土)、17日(日)の2日間、都市センターホテル(東京)にて開催されます。 |
糖尿病治療の新薬と治験 |
治験部長・糖尿病代謝科 大西 由希子 |
糖尿病薬の現状と治験 糖尿病の治療薬は毎年のように新薬が登場します。低血糖をおこしにくいインスリン分泌促進薬のDPP-4阻害薬、インスリン分泌促進とともに食欲抑制をすることで肥満2型糖尿病患者への効果が期待されるGLP-1受容体作動薬、尿糖の排泄を促進することで血糖と体重を下げる効果を期待されるSGLT2阻害薬。インスリンについても、バイオシミラーといういわば経口薬でいうジェネリックのような価格の安い後発品が登場する一方、従来のインスリンの3倍濃縮タイプや、超速効型と持効型インスリンを混合したインスリンも発売されました。毎日注射していたGLP-1受容体作動薬を一週間に一回注射すればよい、という製品も登場しています。 映画とは異なる治験の実状 私が初めて治験を意識したのは医師になる前。ハリソンフォード主演の「逃亡者」という映画(1993年公開)を見たときです。これは治験のマイナスイメージの象徴的な映画かもしれません。 |
糖尿病食は健康食 |
栄養管理室・チーフ 藤原 江美 |
「驚きの糖尿病食」!? みなさま、こんにちは。「糖尿病」と聞くと食事についての不安を持たれる方は多いと思います。当院でも、初めて栄養相談に来られた方は「あ~あ、好きなものはもう食べられないんだな~」とため息をつく方は多いです。でも、教育入院で実際の糖尿病食を目の当たりにすると、「もっと質素な食事だと思っていた」「(イメージと違うから)こんなに食べていいの?」と驚かれます。 糖尿病患者さんのための食事とは ①適正なエネルギー量を守る ②栄養バランスをよくする ③規則正しい食事習慣を継続する。 糖尿病があってもなくても食事は毎日するものです。【糖尿病食】として紹介した上記のポイントは、糖尿病の方にとっては治療になります。糖尿病予備軍の方、あるいは糖尿病にはなっていない方にとっては糖尿病の予防につながります。食事は糖尿病になってから取り組めばいいものではありません。【糖尿病食】は特別なものではなく【健康食】なのです。 |