vol.002 2015年 11・12月
糖尿病・成人病関連の学会に参加を |
(公財)朝日生命成人病研究所附属医院 所長・院長 岩本 安彦 |
世界糖尿病デーを迎えて今年の世界糖尿病デーを目前にひかえて、全国各地で糖尿病の予防・啓発に向けたさまざまなイベントが企画されていると思います。朝日生命成人病研究所では、「 第2回あさひ健康まつりin 日本橋 ~糖尿病を知ろう!~ 」 を11月12日(木) 14:00 ~ 18:00 に朝日生命成人病研究所附属医院(朝日生命須長ビル9F特設会場)にて 開催いたします。患者さんや一般の方々のご来場をお待ちしています。 糖尿病・成人病関連学会にご参加を!今年も秋の学会シーズンを迎えました。秋から来春にかけて糖尿病や成人病に関連した多くの学術集会、研究会、分科会が予定されています。糖尿病や成人病(生活習慣病)関連の主な学会を列挙します。
なお、日本成人病学会の折には、第50回を記念して日本成人病(生活習慣病)学会 50回 記念式典を開催いたしますので、ふるってご参加くださいますよう お願い申し上げます。 |
酸化ストレス障害のメカニズム
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循環器内科部長 世古 義規 |
酸化ストレスが生体にもたらす影響 生物が活動するためには酸素が必要ですが酸素消費を増やしたり過剰な酸素にさらされると新陳代謝が亢進して細胞老化が進んだり、エネルギー産生に使われた酸素分子の一部が活性酸素となり細胞障害を引き起こします。「酸化ストレス」や「抗酸化作用」という言葉が漠然と使われていますが「酸化ストレス」とは物理化学的にどういう刺激で、どのようなメカニズムで生体に影響を及ぼすのかについては必ずしも解明されていません。ここでは最近我々が発見した「酸化ストレスに反応して細胞から分泌され細胞障害(アポトーシス)を引き起こす生理活性物質」を紹介しながら酸化ストレス障害のメカニズムとその治療の展望について述べることにします。 ORAIP―酸化ストレス障害克服への期待 我々は「細胞が酸化ストレスのような物理化学的な刺激に対して何らかの生理活性物質を分泌し、それが細胞膜上の受容体に結合して細胞内へシグナルを伝えることによりアポトーシスを誘導する」ことを見つけました。そして酸化ストレスによって細胞から分泌型のeIF5Aというタンパクが分泌されてアポトーシスを誘導していることを明らかにし、新規の生理活性物質としてORAIPと命名しました。 |
Happy Birthday ADA and EASD !
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部長・糖尿病代謝科 高尾 淑子 |
欧州・アメリカの糖尿病学会での発表という幸運第50回欧州糖尿病学会(EASD)は2014年9月15-19日にオーストリア・ウィーンで、第75回アメリカ糖尿病学会(ADA)はその翌年の2015年6月5-9日にマサチューセッツ州ボストンで開催されました。幸運にも、私はこの50周年、75周年を記念する両学会で発表する機会をいただきました。両学会の参加者は共に世界130か国以上から18,000人を超えたそうです。 第50回欧州糖尿病学会(EASD)http://www.easd.org/index.php?option=com_content&view=article&id=157:50th-easd-annual-meeting EASD2014ではEASD プレジデントのAndrew J.M. Boulton 氏の挨拶に続き、The new biology of diabetes と題したClaude Bernard Award受賞者、Domenico Accili氏の講演を拝聴しました。β細胞機能不全はアポトーシスではなく、主に脱分化によって引き起こされる。2型糖尿病の治療はβ細胞の分化を回復させることを目的とすべきとの斬新な内容とそのスライドの美しさに感銘を受けました。 第75回アメリカ糖尿病学会(ADA2015)http://professional.diabetes.org/Congress_Display.aspx?CID=95010 ADA2015ではADA プレジデントのSamuel Dagogo-Jack 氏は75 Years of Battling Diabetes-Our Global Challengeと題して、今や世界的な問題となった糖尿病に対し、予防の重要性を説き、人種差の是正についても強調しました。講演の最後に“Happy Birthday ADA”と述べ、華やかに開幕しました。 |