vol.004 2016年 3・4月
第50回を迎えた「日本成人病(生活習慣病)学会」と「糖尿病学の進歩」 |
(公財)朝日生命成人病研究所附属医院 所長・院長 岩本 安彦 |
毎年、お正月早々に開催される学会の1つに日本成人病(生活習慣病)学会があります。 |
糖尿病と母子手帳 |
部長・糖尿病代謝科 田原 たづ |
生活習慣病と胎内環境 糖尿病を含む生活習慣病、および肥満は世界的な問題で、WHOのデータによると、北米や中東で肥満が著明ですが、日本でも増加傾向にあると言われています。生活習慣病の治療の基本は食事と運動です。過食による肥満や運動不足は、生活習慣病の原因の一つと考えられており、これらを改善することは病気の治療に大きな意味を持っています。もって生まれた素質を表す遺伝因子に対して、このような肥満や運動不足は環境因子とよばれます。生活習慣病については、これまで成人後の環境因子について述べられることが多かったのですが、最近は生まれるよりもっと以前の環境も重要だということが言われ始め、注目を集めています。 母子手帳の活用 我々の検討では、糖尿病の子という限られた対象ではありますが、妊娠時の母体体重増加が少ないと子のBMIが上昇し、また妊娠前の母体体重が少ないと子どもの現在のインスリン抵抗性を示すHOMA-IRが高値を示していました。胎内環境と出生後の児の生活習慣病についての我が国での報告はまだ少なく、規模も小さいものが多く、今後大規模な疫学調査が行われることが望ましいと考えられます。 |
当院の療養指導と教育入院のすすめ |
看護科・看護師長 松田 由維 |
当院の糖尿病療養指導 当院では外来、入院ともに糖尿病認定看護師、CDEJ(Certified Diabetes Educator of Japan:日本糖尿病療養指導士)を中心に療養指導を積極的に行っています。 教育入院のすすめ 入院経験のない多くの方は、教育入院と聞いてもイメージしにくいと思います。あるいは、入院とは一日中ベッドで安静にしている、というようなイメージをお持ちの方も多いかもしれません。しかし当院の教育入院は、一言でいうと「合宿」のようなイメージの入院です。 |